⑧投資と投機とギャンブル|3つの言葉の違いとは

投資や投機、ギャンブルという3つの言葉が存在します。

この3つの言葉の違いを明確に理解している人は、そう多くないのではないでしょうか。

一般的な印象としては、「投機」という言葉は、投資よりもリスクが高いもののことを意味しているというイメージを持たれます。

実際に、投機と投資では、明確な線引きをすることは難しいとされていますが、「投機的」と「投資的」という観点での違いを理解していれば問題ないでしょう。

ここでは、3つの言葉の違いを解説するとともに、投資と投機の取引の違い、また、日本人が投資を嫌う理由などについてご紹介していきます。

3つの言葉の違いとしくみ

3つの言葉には、明確な定義というのがありません。

しかし、複数の人たちが何かしらに対してお金を出し合い、出したお金より多く返ってくることを期待しているのは同じと言えます。

それぞれの違いは、お金を出す「何かしら」に違いがあるのです。

同じ条件の例を挙げて、それぞれの言葉の意味とそのしくみについて解説していきます。

同じ条件は、10人の人が、均等に10万円ずつお金を出し、合計が100万円の場合を想定して考えていきます。

投資とは

投資のもともとの意味は、事業を行うときに、手持ちの資本を投入するという意味からできた言葉です。

企業が事業を行うときには、資本金を集めるために、複数の投資家からお金を集めたりします。

元手を使ってビジネスを行っていき、売り上げが順調に上がっていけば、中長期的な収益が期待できます。

元手を出した投資家の人たちは、事業で上がった収益から分配を受けることができます。

株式会社で、株式を保有している場合に、株価の値上がり益や、株主に対する配当が出ることをイメージすると分かりやすいでしょう。

投資の場合、全体の経済価値が大きくなればばるほど、1人当たりの分配が増える、つまり、最初に10万円を投げた10人の人たちが、それぞれ11万円になって返ってくる可能性があるのです。

ここで、注意が必要なのは、必ずしもビジネスが成功するわけではないことと、分配の多い少ないはその時々で起こるということです。

ただ、仕組みとして「そのような期待が持てる」という認識でいてください。

その認識で考えれば、投資は、国や企業の経済的な成長に期待して行うものと言えます。

それと同時に、認識として必ず持っていてほしいのは、国や企業に対する投資は、思ったように成長しなかったり、失敗することもあるということです。

その結果、投資のリスクでもありますが、投資した資金が減ることがあります。

しかし、先ほども述べたように、仕組み的には、元手が増えることを期待できるため、資産運用の手段として「投資」が選択肢に上がってくるのです。

投機とは

投機とは、資金を「機会、チャンスに乗じる」という意味を持ちます。

簡単に言えば、「確実ではなくとも、偶然当たれば大きい利益を得ることができる」、株価などの価格変動の予測を踏まえ「短い時間で、安く買って高く売り、利益を狙うこと」を意味します。

突発的な一攫千金や偶然の利益を狙うため、利益の経済価値自体が大きくなるわけではありません。

このように投機は、10人が10万円ずつお金を出したとしても、そのメンバー間で100万円を取り合う状態となってしまうのです。

このような、勝ち負けがはっきりと分かれ、負けたほうには何も残らないことを「ゼロ・サムゲーム」と呼びます。

つまり、不確実なチャンスに賭けるという点で、ギャンブルに似ていると言えます。

ギャンブルとは

ギャンブルは、不確実なチャンスに賭けるという点では、投機と同じです。

ですが、ギャンブルには胴元と呼ばれる「その場の主催者」またはパチンコ店などの「店舗」がいます。

その胴元が、場所代などの手数料を取っている点が投機と違うところです。

つまりギャンブルとは、この手数料や胴元の利益を差し引いた「残り分」を、参加者達で取り合う仕組みなのです。

この参加者で取り合う残り分は、ギャンブルの利益の還元率という意味ですが、各種目によってある程度決まっています。

  • 宝くじ・・・45.7%
  • TOTOなどのサッカーくじ・・・49.6%
  • パチンコ店・・・平均85%〜90%
  • 競馬、競艇、競輪などの公営競技・・・74.8%

これを見て分かるように、国が胴元となっているものの還元率は低く、中でも宝くじの還元率はかなり低いのが分かります。

宝くじなどは、参加した人たちのお金の半分以上を国が持っていってしまうことと、当選確率が極めて低いため、宝くじで「ビッグドリームを掴むんだ」と期待している人はいるかもしれませんが、実際は宝くじという名の納税に近い状態となっていると言えます。

このことから、10人の人が10万円ずつ参加費を出しても、勝つ人は数人で、多くの人は元手を下回る結果になることがほとんどであると言えます。

投資と投機、具体的な取引の違い

前文にて、3つの言葉の違いについて理解できたかと思います。

ではつぎに、投資と投機にイメージされる、具体的な取引例をご紹介していきます。

投資とされている取引

まずは、投資とされている取引についていくつかご紹介します。

  • 金利を目的としたFX取引
  • 将来性を期待した株の長期保有
  • 将来的な値上がりを目的とした投資信託の長期保有
  • 金の長期保有
  • 国債
  • 不動産
  • 海外預金
  • 保険商品

このように、主に中長期的に資産を運用することを目的とする取引のことを投資と枠組みすることが多いのです。

投機的とされている取引

ではつぎに、投機的とされている取引についていくつかご紹介します。

  • 為替変動で行う為替のFX取引
  • 株のデイトレード、短期売買
  • 値上がり益を当てにした投資信託の短期売買
  • 金の短期売買
  • 宝くじ
  • 仮想通貨

このように、主に短期的な利益を狙った取引を投機的だと枠組みされています。

比較的リスクが高いとされている、FXや株であっても、取り引きの手法によって、どちらの枠組みにも分けることができます。

仮想通貨は、価格変動が激しい分、現状では投資という枠組みに含めるのは難しいとされています。

日本人は投資が嫌い?

一般的に、日本人は「投資は危ないものだ」という認識の人が多くいます。

投資のイメージ調査では、「リスクが大きい」「不安・心配」「損をする」「素人には難しい」など、マイナスなイメージのものが多く、プラスなイメージも中には出てくるものの、日本人の8割が投資に良いイメージを持っていません。

では、日本人が投資を嫌いな理由はなぜなのでしょうか。

投資全般をギャンブルだと勘違いしている

中でも、「投資はギャンブルである」と答える人が約4人に1人の割合でいるようで、その認識から悪いイメージを持たれることとなったと言えます。

たしかに、投資と投機では重なる部分があるものの、決定的にギャンブルとは違う点は、胴元がいるかどうかです。

胴元がいることによって、利益より損失の方が大きくなる「マイナス・サム」のゲームと呼ばれるのがギャンブルであり、投機は誰かの利益と損失がイコールになる「ゼロ・サム」のゲームと言われています。

では、投資はどうなのでしょうか。

投資は「プラス・サム」

投資は「プラス・サム」のゲームと言われています。

その理由は、最初の項目で解説したように、企業や国の経済の成長を期待して投資し、株式など資産の価値が増えることで、分け合う利益の経済価値が上がるからです。

簡単に言えば、「経済の成長に参加する行為」と言えます。

投資という言葉は、自己投資などにも使われる言葉で、これも「自分の成長のために行う行為」という意味で取れるため、投資とは後の「プラス」を期待して行う行為ととらえることができます。

投資はギャンブルではないという認識を

投資がギャンブルであるという認識を持ち続けることは、非常に勿体ないことです。

投資は、資産形成の選択肢の1つです。

3つの言葉の意味を正しく理解し、認識を変えていくことが、豊かな将来を築いていくきっかけになるでしょう。

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