会社の売買方法のひとつに敵対的買収という方法があります。
その買収を防ぐための防衛策が存在し、各企業はこの防衛策を導入している企業もあれば、廃止している企業もあります。
ここでは、代表的な買収防衛策を4つご紹介します。
敵対的買収(Take Over Bid)を防ぐ買収防衛策とは
「買収防衛策」とは、敵対的買収を防ぐための対策のことを指します。
日本では、株式の持ち合いによって安定的に株主を確保したり、予め買い手に向けたルールを作成し、警告する予防策などが主流となっています。
代表的な買収防衛策
買収防衛策は全部で19個存在し、ここでは代表的な対策を4つ紹介していきます。
ホワイトナイト
ひとつ目の方法は、ホワイトナイトです。
これは、ある企業が買収をされそうな危機に陥ったときに、友好的な第三者の企業や経営者に先に買収をしてもらう方法です。
友好的な第三者の企業や経営者のことをホワイトナイト(白馬の騎士)と呼ぶことから、この防衛策のことをホワイトナイトと呼んでいます。
焦土作戦
ふたつ目の方法は、「焦土作戦=クラウン・ジュエル」と呼ばれている方法です。
これは、買収に動いている企業が求めている買収対象の資産や事業を先に売ることで、意図的に会社の企業価値や魅力を下げることで買収意欲を削ぐ方法です。
焦土作戦という言葉の意味は、「攻めてくる敵に武器や弾薬を奪われないために自軍の軍事施設を焼き払う」という意味からきています。
なお、この方法は経営陣の独断で行うことができますが、焦土作戦をした後は、企業価値が大幅に下がってしまうため。株主に対して大きな影響を与えてしまいます。
そのため、日本でこの方法が行われた事例は過去に1回しかありません。
ポイズンピル
3つ目の方法はポイズンピル(ライツプラン)です。
この方法は、買収が行われるリスクがあったときに、新株予約権を発行することによって買収を阻止する方法です。
買収しようと動いている企業が、株式の保有比率を増やし始めた場合には、予め定めていたポイズンピル(毒薬条項)に基づいて新株を発行します。
新株を発行することによって、買収に動いている企業の株式保有比率が下がり、買収を阻止することができるのです。
しかしデメリットも存在し、株式の発行総数が増える分、株価が大きく低下し、株主の総資産を減らしてしまうことがあります。
なお、ポイズンピルは敵対的買収が引き金になって発動されるため、「トリガー条項」と呼ばれています。
MBO
4つ目の方法はMBO(マネジメント・バイアウト)です。
これは、自分の企業の経営陣が自社株式を買い取り非上場化することにより、会社の経営権を買収させないようにする方法です。
一般的に公開されている銘柄は、投資家が自由に取引することができます。
そのため、敵対的TOB(株式公開買い付け)を行うことができます。
TOBを阻止するために、株式の取引がされないように非上場化し、自社株式の流出を防ぐことができます。
一般的に、中小企業や非公開会社は、事業継承のためにマネジメント・バイアウトが使われます。
まとめ
会社経営をする人にとっては、このような防衛策を事前に理解しておくと良いでしょう。
特に、株式会社として株式を公開する会社であれば、常に買収のリスクと隣り合わせです。
このような防衛策を事前に理解し、万が一に備えて対策を取っておくように準備を整えておきましょう。