あなたは、預金封鎖という言葉をご存知でしょうか。
知らない人でも文字を見て、預金が封鎖されるのであろうと想像はつくかと思います。
ここ最近の日本の映画【カイジ ファイナルゲーム】の中にも政府の取り組みとして、この言葉が出てきました。
【カイジ】シリーズと言えば漫画やアニメでも人気で、大金と人生をかけた真剣勝負を主人公がしていくといった作品で、お金や人生など、日本社会に沿って向けられた言葉や表現が使われることもしばしばあるシリーズものです。
そういった作品を手掛けている作者が、近年の日本の経済状況を見て、原作者の福本伸行さんが映画の作中に組み込んだのかもしれませんね。
ここでは、今後起こるかもしれない【預金封鎖】というものがどのようなもので、またそれをする目的やしくみについて解説をしていきます。
預金封鎖とは?
まずは、基本的な部分を知っていきましょう。
これは、ある日とつぜん金融機関の口座が凍結されることで、預金が引き出せなくなることを意味します。
これは世界的に各国で実際に行われています。
日本は1946年に戦後に行われ、1990年にはブラジル、1998年にロシア、2001年にアルゼンチン、2002年にウルグアイ、2013年にキプロスとさまざまな国で起きています。
頻繁は低いものの、いくつかの国でこの政策が行われているということは、政府が必要だと判断したときに実行されているということです。
仮に日本でこれが起きた場合、メガバンク、地方銀行、ネットバンクなど全てがその対象となります。
こうなると、長い期間をかけて貯めたお金がほとんど下せず、凍結されてしまうと考えておきましょう。
日本では、戦後に行われており、これをすることで人々の資産を無理やり取り上げ、膨大な借金の返済に使ったのです。
その影響か、その年だけでの物価上昇率は300%だったそうです。
その後もインフレが進み、物価が上がっていったため、長年かけて貯めたお金が、これが終わったときには、数ヶ月分の生活費になってしまっていたようです。
いまの日本は借金が増え続けているのが現状であり、国の借金の深刻度を表す政府の債務残高の対GDP比が先進国の中で最も悪い、230%を記録しています。
戦後では、この数値が200%を超えたころにこれが行われていたため、今の日本はこれがいつ行われてもおかしくない状態と言えます。
預金封鎖をする目的とは
この政策の目的は、ふたつあると言われています。
- お金の流れを制限しハイパーインフレを抑える
- 国の赤字を補填する
この政策を打つことで、世の中に出回るお金の量が減ります。
そのため、インフレを抑える効果が期待できます。
ブラジルやアルゼンチンがこれを行う前は、まさに超インフレの状態で、それを鎮めるためにこの政策を行ったそうです。
政策を行う最初のきっかけは、インフレの抑制である場合が多いのですが、日本でするのであれば、資産税の徴収が主な目的となるでしょう。
預金封鎖のしくみ
つぎにしくみについて解説します。
最初に、国民の資産を凍結し、どこにも移せないようにします。
これによって、国民の預金額を把握し、資産税・預金税などといった名目を立て、銀行口座から直接税金を取ります。
戦後のときは全財産に税金がかかり、預貯金、株式や不動産などの全てにかかっていました。
預けているお金から直接取られるため、税金を支払いたくないと思っても、拒否することができません。
戦後のときの資産税の課税率は25%~90%ととても高く、保有している資産額に応じて税率が高く設定されていました。
資産を多く持っているほど、高い税率になり、多くの資産を取られます。
以前行われたときは、これが行われる前日に新円の切り替えが行われました。
これにより、多くの人がこれから使用不可になる旧円を銀行に預けに来ていました。
その結果、政策を打つ前日には、銀行には通常りも多くのお金が集まっていたことが考えられます。
そのお金が多く集まったタイミングを狙ってか、新円発行の翌日に預金封鎖をしたのです。
このように、戦後のときはこれに加え、新円の切り替え、資産税の3つが同時に起き、国民の多くの資産が国に取られていったのです。
近い将来、日本でまた行われるとしたら、国の赤字を補う目的であるのため、以前起こったときと同じように、上記の3つの方法が実施されるのではないでしょうか。
預金封鎖は突然やってくる・・。
預金封鎖は、予告をされずに突然起きるため、全く予想が付きません。
そのため、準備をすることもできません。
予告をしてしまうことで、国の狙いが全く機能しなくなるからです。
封鎖となる日の前に、国民が現金を引き出してしまったり、金などの実物資産を買ってしまったり、海外にお金を流したりと対策をされてしまいます。
このように、対策をされないように突然来ます。
また、日本で預金封鎖が起こる可能性は十分にあり得るため、いざこれが起きても良いように、これについての知識を身に付け、対策を考えておくと良いでしょう。