老後資金を若い頃から作っておくべきだと言われている昨今ですが、60代になった人でもできることはあります。
しかし、どちらかというとこれから資金を増やしていくというよりも、増え続ける支出に振り回されないように、貯蓄と共に家計を支えるような対策や行動が必要となってきます。
そこで今回は、60代になった人が老後に向けてできる対策とこれからかかってくる支出についてお話をしていきます。
収入を維持しつつ貯蓄が減らないようにしよう
定年を迎えてから、収入が激減することが予測され、年金も65歳になるまでもらうことができません。
そこで、貯蓄を減らさないためにも、70歳まで働くことを視野に入れる必要がでてくる場合もあります。
長く働くことを考えなくていい人は、60歳を迎える前に、すでに十分な貯蓄ができている人、また資産運用ができており、不労所得を得ることができる状態を作れている人などでしょう。
では、この上記のふたつのような状態を作れていない人は、どうしていけば貯蓄の減りを和らげることができるのでしょうか。
60代から再就職・再雇用
ひとつ目は、60歳で定年を迎えた後も、働き続ける選択を取ることです。
これをすることで、毎月安定した収入をもらいつつ、不足分は貯蓄から出すことになるため、比較的貯蓄の減りを抑えることができます。
ここで気になるのが、年収がどれくらいになるのかという点です。
年収は、60歳になる前は約500万円ほどの収入を得ていても、61歳以降の再就職・再雇用では、約5~7割ほど減った金額が年収になると考えておくと良いでしょう。
つまり、250万円~350万円あたりになるということです。
それでも、この収入が毎年もらえるということは、生活の大きな支えとなり得るでしょう。
退職金をもらう
ふたつ目に挙げられるのは、退職金をもらうことです。
退職金の制度を取り入れている民間の企業は約8割ほどで、小規模な企業ほど制度がない場合があります。
そのため、誰もが必ずもらえるわけではありません。
また、退職金の支給額は、年々減少傾向にあります。
2003年頃であれば、大卒の人で約2500万円もらえていたが、現在では2000万円を下回るきんがくとなっています。
それでも、貰えないよりかは貰えた方がもちろん良いため、退職金を貰える企業に勤めている人は、これを受け取ることで、家計の支えとなるでしょう。
増える支出
つぎに、この年代から増えてくる支出について解説していきます。
大きく分けて5つほどご紹介します。
医療費
老後にかかる費用の代表格がこれです。
歳を取れば、病気やケガが増えることは避けられないことでもあります。
通院や入院、投薬やリハビリなど、医療を受けるのにかかってくる出費は度々あるものの、日本には医療費の負担を軽減してくれる制度があるため、そこまで家計の負担になることはありません。
後期高齢者医療制度によって、負担の割合は1~3割ほどになり、ひと月分の上限を定めて、その上限を超えた額を支給してくれる高額医療費制度のふたつがあるからです。
葬式
人生最後の出費と言われているのが葬式の費用です。
この費用の相場は、葬式の費用だけで約178万円ほどといわれています。
このときかかる費用はその他に墓石、戒名などです。
墓石に関しては、先祖の墓に入るのであれば費用はかかりません。
葬式のときにかかる、葬式費用と飲食代や返礼品これらを合わせて178万円ほどなのです。
また、墓石の相場は約167万円、戒名の相場は約2~100万円とピンキリです。
子どもの結婚式
子どもが結婚するときに援助金がかかる場合があります。
親としては、子どもの結婚式のときに少しでも資金を援助してあげたいと思うものです。
この相場は約195万円ほどと言われていますが、家計の負担にならない額を見極めたうえで援助をすると良いでしょう。
リフォーム
住宅ローンの支払いが終わっていても、家の設備にお金を使う場面はどうしても増えてしまいます。
リフォームや老朽化した外壁などの修繕、老後を考えバリアフリーを取り入れるなど費用がかかってきます。
リフォームでかかる費用の相場は、約608万円と言われています。
介護
介護についても、老後にかかってくる支出の代表格と言えます。
80歳以降になると高齢者施設に入るケースが多くなります。
施設の種類や場所によって費用は大きく変わってきますが、相場は約10~30万円とされています。
定年後も引退せずに家計を支えよう
定年を迎えたとしても、体が元気である内は働く選択を取ることも視野に入れておきましょう。
本当に体が動かなくなったときに、資金が底をついてしまっては、日常生活を送っていくことが困難になってしまいます。
そうならないように、60歳を迎えた後も、家計を支える選択をすると良いでしょう。
ただ、身体に負担の大きい業務内容を選ぶことは危険が伴うため、できる範囲で行える仕事を選ぶとなお良いでしょう。